ぞうさんニュース

小児のアトピー性皮膚炎

 気圧の変化も数日単位で目まぐるしく変わり、一日の温度差も大きく、紫外線量が多い季節になりました。外遊びをしたい、クラブなどしっかりとスポーツをしたい、行楽地へ出かけたいなど、動きも活発になる中、お肌の手入れも難しいシーズンです。
 アトピー性皮膚炎は、皮膚に紅斑(赤くなる)、丘疹(小さいブツブツができる)、落屑(皮膚がカサカサむける)、苔癬化(皮膚が厚くなる)、痂疲(ジュクジュクしたりかさぶたができる)など、かゆみのある湿疹が、慢性的に悪くなったりよくなったりを繰り返します。多くの人はアトピー素因があります。慢性的とは「1歳未満では2か月以上、それ以外は6か月以上継続している状態」です。かゆみのある湿疹は左右対称に現れることが多く、乳児では顔や首、頭によく現れ、次第に胸や背中、四肢の関節部などに広がります。幼児や学童では首の周囲、臀部や肘の内側・膝の裏側に多いです。乳幼児期~学童期での有病率は10~15%程度です。
治療の目標は「症状がないか、あっても軽微で、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、それを維持すること」です。そのために「皮膚のバリア機能の維持、そのための治療薬や保湿剤の塗り薬を適宜に使用する」、「悪化因子の検索と対策を。ダニや花粉、ペットなどの吸入アレルゲンの有無、汗の管理」等です。
 ステロイドホルモン以外の新しい薬が多数出てきました。重症の場合注射薬もあります。副作用に留意しつつも、できるだけバリア機能と日常生活の維持を目指したいです。
 なお、卵・小麦・ピーナッツなどの食物アレルギーはバリア機能が壊れた皮膚
から原因物質が侵入し、アレルギーが成立するということが分かってきています。ということで、赤ちゃんのすべすべお肌を目指した指導は産科から始まるようになりました。  *手入れや治療について、当院にご相談ください。

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