ぞうさんニュース

冬の風邪の豆知識 その1

今年のインフルエンザは全国的に流行が早く、東京・名古屋・大阪・福岡 などの大都市を中心に 9 月頃より学級・学年閉鎖が報告されています。
報道 機関はこぞって取り上げていますが、今のところそれ以上の拡がりは無く、 感染症サーベイランスの集計ではまだ本格的な流行の兆しを認めていませ ん。
この地区の流行は、他地域よりも例年 1~2 ヶ月遅くなりますので、あわ ててワクチンを打つ必要はないようです。

今年採用された、新しい抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」について。

日本で開発されたこの薬は、流行性インフルエンザだけでなく、高病原性鳥 インフルエンザや薬剤耐性インフルエンザにも有効で、1 回の内服で治療が完 了するとても便利な薬剤です。
今までの抗インフルエンザ薬の働き方は、ウ イルスがヒトの細胞に出入りする際に作用します。ウイルスの型により薬が 合わないこともあります。
一方この新薬は、ヒトの細胞内でウイルスが増殖 するために必要な遺伝子の働きをブロックするものなので、ウイルスの型を 問わず、とても有効性の高いものです。
体重が 10kg 以上なら使用可能ですが錠剤です。
また小児での使用経験が少なく、副作用などの安全面ではこ れからの詳細な検討が必要かと考えます。
タミフルなどを使いにくい 10 才台 のお子さんには向いているでしょう。
新薬を使えない場合でも、薬剤耐性イ ンフルエンザウイルスはその増殖力は非常に弱く、重症化して致死性転帰に 至るケースは皆無です。

◆今冬の子供たちのインフルエンザの予防の主役は「2 回ワクチン接種「」こ まめな手洗い・うがい」、治療の主役は「従来の抗インフルエンザ薬」が良い かと考えています。

◆当院では、10 月下旬からワクチン接種を開始予定です。
感染しても軽く 済ませる効果は十分期待できます。お気軽に予約して下さい。