その他
2018年9月号 体温調節のお話
遅ればせながら、体温の異常のお話
今夏は熱帯地方の暑さでした。毎日ニュースや天気予報を賑わしています。
体温中枢は脳内にありますが、体温を実際に調節するのは自律神経です。
暑すぎると汗をかいて体温を下げる、寒いと筋肉を震わせて熱を産生することで体内環境温度を一定に調整しています。
8月にはこの 調節がうまくいかなくて微熱が続き受診される方々がいました。
特に子供の場合不利な点は、
- 体液量(水分量)の占める割合が多い。水は熱伝導率が高く、乳幼児は「熱しやすく、冷めやすい」状態であること。
- ただし、汗腺の発達が未熟です。特に乳児では頭皮には沢山ありますが、体の汗腺は運動することで次第に増えるので、汗をかくことで体温を下げることは難しいのです。
高熱の際、布団蒸ししてホットミルクで汗をかかせる方法は子供向 きではありません。 - 冷めやすいので、冷却に弱いです。筋肉量も少なく熱産生の力は弱いのです。
環境の温度や衣服の調節などこまめな配慮を要します。 - 自律神経の発達が未熟です。ある程度暑さ寒さに触れないと調節機能が発達しません。
エアコンの温度は、室外と5°C以内の差に保ってください。
自律神経の発達には、早起き・早寝・朝食を含め3食 を規則正しくとる、運動することもとても大切です。
現代文明は、生き物の一種である人間の、自然への適応能力の獲得を妨 げる方向に向かっています。大人の知恵で、子ども達の生きる力を守り育 てたいものです。
☆受付からのお知らせ
9月から、各福祉医療受給者証が更新されています。来院時新しい受給者証の提示をお願いします。