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◆お薬がない!? さてどうしよう?
コロナ感染症が5類になり日常の社会生活に戻ると同時に、影を潜めていた複数の感染症が一気に広がってきています。インフルエンザ然り、アデノウイルス然り、溶連菌然り。中国では小児にマイコプラズマ肺炎のような感染症が増えてきているというニュースも見聞きます。コロナ収束直前には解熱剤のアセトアミノフェンの不足があり、慌てました。現在は平常供給になっています。
今度は咳止めが手に入らない事態に陥っています。この際、咳や鼻水がなぜ起きるのか?を考えてみましょう。
急に寒くなった11月中旬から水のような鼻汁・鼻閉を訴える方が増えました。これは冷たい空気から脳を守るために起こした生体反応の一種です。鼻のすぐ上には脳があります。急な温度変化に耐えるように、暖かい鼻水で鼻腔を充満させたり、鼻の粘膜を腫れさせて冷気が入らないようにしているのです。水様性鼻汁はのどに流れ落ちるのでそれを払うために咳が出ます。この場合咳止めは不要ですよね。よく鼻をかむ、マスクをして冷気を吸い込まないようにする、湯気を吸う(入浴も効果的ですよね)、ヴェポラッブ等を使うなどの方法があります。小さなお子さんの鼻水を止めたくなる気持ちもわかります。しかし抗ヒスタミン剤を使用しても完全に止まることはありません。
乳幼児で鼻をかむことができない場合、大人が吸ってあげてください。できれば道具を使っていただく方が清潔です。2才ころから鼻をかむ練習ができます。ご相談ください。
夜間の睡眠を妨げる咳(喘息、気管支炎、肺炎など)の場合、治療が必要になります。また百日咳のような痙攣性の咳にも中枢性に働きかける薬を要します。
いずれにしても粘膜の炎症が基礎にあるのでそれに対する薬を中心に使います。漢方薬を使うこともあります。もちろん溶連菌の様な細菌感染には抗生剤が有効です。よく見極めて対処したいですね。