ぞうさんニュース

「新しいワクチン体制(1)」

 今月は10年以上前に日本と英国で同時に定期接種が開始された子宮頸がんワクチンが今春より新体制で再開されることになったので紹介いたします。
 10年以上前に両国ともにワクチン後の痛みを強く訴える若い被接種者が多かったのですが、英国ではそのまま国の定めに従って毎年打ち続けて現在英国内での子宮頸がん患者はほぼ皆無になりました。
それに反して日本では痛みで精神的に不安定になる被接種者がいる事を理由に積極的勧奨を控えるという政府の方針が前面に打ち出され、ほとんど中止状態になりました。この事で日本の男女体内に人パピローマウイルス(HPV)が居続け、毎年20~30才台の女性が子宮頸がんによって2,000人以上命を落としています。
 コロナウイルスワクチンの方がはるかに副作用が強いにも関わらず、その導入について政府は先導して外国の治験データをそのまま採用してCOVIDー19のコントロールに成功したのに「何故HPVワクチンを勧奨してはならないのか?」という意見が産婦人科学会からも打ち出され、今回改良型のシルガード(9価ワクチン)が適応になりました。
これは9~14才では2回で、15才~3回接種することでHPV感染予防効果が認定されています。ただHPVは約30種類流行しており、ワクチンの有効年限も確定していないので各自子宮頸がん検診を毎年受ける必要はあります。HPVに感染しても癌化するまでは相当年数がかかるので、初期の段階で発見し対処すれば完治する確率が非常に高い事を理解してください。
 来月はコロナワクチンの今後の在り方について紹介します。

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