ぞうさんニュース

2020年5月号 漢字を繰り返し書くのっていやだなあぁ

漢字を繰り返し書くのって いやだなぁ…

ぴかぴかの小学1年生は何もかもが目新しく、幼児さんがお兄さんお姉さんに なった気分を味わっている頃です。
でも2年生になると、漢字を書くのがめんどう だと嫌がるお子さんが増えてきます。
今どきの子の漢字の宿題を見せてもらうと、 1個の漢字を繰り返し書く回数が少なくなっていることに驚きました。
私たち昭 和の時代は毎日20種類の漢字を20回ずつ書く宿題がありうんざりしたもので す。

文字にはなぜ書き順があるのでしょうか?

書字行為とは、写すべき文字の形を見てそれを同じ形に紙上に書き表すことを言います。
一定のルール・順番に従って書くことで、何回書いても同じ文字になる ようになっています。
何度も同じ書き順に従って書いていると、もう書き順を意識しなくても書けるまでになります。
この状態が「その漢字を覚えて書けるようになった」と言います。
この記憶は小脳を介した運動系の記憶です。
すなわち手の運動に覚えさせたので す。
その証拠に「ひこうき」と漢字で書いてと頼むとたいていの大人はすぐに書い てくれます。
でも「ひこうきの飛の6画目はどこ?」と尋ねられて即座に答えられ る人はなかなかお目にかかれません。
ほとんどの人は「ちょっと待って。」と言っ て書き順を唱え宙に書いてから答えてくれます。

ヒトの長期記憶の中で一番長く残るのが運動系記憶です。何十年と残ります。
歩行をはじめ、自転車操縦、スポーツ、楽器の演奏の他、日本人の得意とする様々な 技術も同様です。
九九を口で唱えるのもその要素が含まれます。

教育現場で何度も書くことを求めなくなったのは、ワープロ機能を駆使することが当たり前になってきたからでしょうか?

それは書き障害の方には有利ですが、その場合でも読みと意味の知識は必要になります。書き順があることの意味をお子様にぜひ話してあげて下さい。


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