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2019年8月号 ウイルス性肺炎
ウイルス性肺炎
ウイルス性肺炎は風邪と同じように、のどや鼻からウイルスが入りせきや熱 が出ます。
軽く済む子もいれば肺炎となって重症化するお子さんもいます。
1.インフルエンザウイルス
治療薬有効(タミフル・ラピアクタ・イナビル・リレンザ) 伝染力 非常に強い(空気・飛沫感染)
重症度 時に致命的(RDSなど合併)
ワクチンの有効性 60%~80%(毎年2回必要)
2.麻疹ウイルス
生ワクチン有効で1才と6才の2回接種で日本古来の株はほぼ絶滅したが 東南アジアなど他国よりの持ち込み株が定着のおそれあり 伝染力は最強で(空気・飛沫感染)1人の患者から 30~40 人を同時に感 染・発症させられる重症度も最強で世界中の子ども達の死因のナンバーワン 合併症(結膜炎→失明、肺炎→重症、脳炎→急性・亜急性で致死率高く有 効な治療がほとんどない、中耳炎・副鼻腔炎・下痢の合併症が多い)
3.ヒトメタニューモウイルス
治療薬、ワクチンともになし 全体の 40%で最多 比較的呼吸困難が強く時に入院して酸素などもひつようとなるが大部分は軽症に経過する
4.水痘帯状ウイルス
治療薬(アシクロビルなど)は早期投与にてとても有効
ワクチン 1 才~3 才に 2 回接種でとても有効だが長年経過すると効果が減弱する伝染力は高いが重症化するのは免疫弱者に限る
5.RSウイルス
ワクチンはないがシナジスという予防薬が流行時期の発症阻止
生後 6 ヶ月児未満が重症化するので、シナジスは未熟児(35 週以下)先 天性心・肺疾患児、免疫不全児などは流行期に数ヶ月間毎月注射する早期対症治療にて重症化が防げる(補助呼吸、酸素投与、ステロイド注 射など)