ぞうさんニュース

2015年6月号 赤ちゃんは抱っこして歩くとなぜ泣き止むのか?

赤ちゃんは抱っこして歩くと なぜ泣き止むのか?

哺乳類「輸送反応」の意義と神経機構 理化学研究所脳科学研究センター
親和性社会行動研究チーム 黒田公美先生

昔から泣いている赤ちゃんを抱いて歩くと泣き止み眠りやすくなるということは、経験的に知られている。
1~6ヶ月令の乳児の行動と心電図を A)ベッドに寝ている B)母親が抱いて座っている C)母親が抱っこして歩く の3条件で比較した。
A では泣き止まず、B よりも C の条件の方が、乳児の泣く量が10分の1に、手足をばたばたさせる自発運動が5分の1になった。
数は歩き始めて3秒で顕著に落ち着いた。

ネコ、ライオン、ラットなどの哺乳類で、親が仔の首の後ろをくわえて運ぶ際、仔は体を丸めておとなしく運ばれている。
(これを輸送反応という)これはヒト乳児の鎮静化反応と似ているのでは?そこで、マウスで実験をした。

人が離乳前の仔マウスの首の後ろの皮膚をつまみあげても、仔マウスの鳴き声は10分の1に、心拍数も有意に減少した。
自発運動の低下は生後2週でピ副交感神経を薬物でブロックすると心拍数の低下は認められなくなった。
首の後ろの皮膚を麻酔してつまみあげると、手足をばたつかせ鎮静化しなくなった。
親マウスは仔を素早く運ぶことができなかった。
つまり空中に体が浮いた(固有感覚への刺激)だけでなく皮膚知覚も輸送反応に必要であった。
この輸送反応は、仔を危険から守るために必要な状況でみられる。
この行動は親だけでなく、親が運びやすいように仔が体を丸めおとなしくするという、仔側の反応もあって成立するということが分かった。
ヒトでは、泣き止まない乳児を親が 45°の角度で抱きかかえ、1 秒間に 2 歩のテンポで 5 分以上歩くと鎮静化がうまくいくようである。
よく車で揺らすと眠ってしまうのも、この効果かもしれない。


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