ぞうさんニュース

2014年8月号 百日咳よもやま話

百日咳よもやま話

ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオの4つの病気に対する成分が入っ た 4 混ワクチンが最近定期接種として採用されました。

いずれの病気も感染経路、発病様式、症状は各々全く異なりますが 1 つの共通点を持っています。
これらの病気は大人が発症しても軽症で経過するにも関わらず伝染力は強く、乳幼児にうつると強力な神経毒性を発して、致死率が高く重度の神経障害後遺症を残したりもします,

中でも百日咳の場合は、大人と乳幼児の症状の重症度に大きな差があり、大人や年齢の高い子どもたちの間で百日咳の流行が拡がっていてもよく見逃されたりしています。

最近のイギリスの研究では、日本と同様の方法で規定回数の百日咳ワクチン接種を完了した対象児童でも、7 年以上経過するとその効果が 3 分の 1となり、多くの児童が百日咳を発症し夜間のせき込みに苦しんでいることが明らかになりました。
また、三重県南部においてもこの春より百日咳の集団発症が続いております。
幸い乳幼児の重病者はでなかったのですが、小学生や大人を中心に同一地区内の学校や家庭において長期間にわたり発病者が続いてしまいました。
確定診断が難しく最終診断には咽頭菌培養で百日咳を分離しなければなりません。
このように診断に時間がかかるため流行の拡がりを抑えるのが困難となり、やはりイギリス同様現行の百日咳ワクチンの社会的効果に限界が感じられます。

現在、厚労省や専門家が大人への百日咳追加予防接種などの研究開発を進めていますが、よい予防方法ができるまでは早期発見、早期治療で流行の拡がりを抑えるしかありません。
2週間以上かわいた咳が続く場合は積極的な受診治療をお勧めします。


☆お知らせ

  • お出かけする機会が多くなる季節です。
    旅先での急な発熱やケガなどに備え保険証、お薬手帳などは忘れずに持っていきましょう。
  • 夏休みを利用してワクチンを接種しましょう。(接種時間 1:30~2:30)
ページトップにいくゾウ!