ぞうさんニュース

2012年7月号 日本小児神経学会報告

第 54 回日本小児神経学会報告 -絵本の読み聞かせに関する2題―

1.読み聞かせが乳幼児の文字への興味に与える影響~福井大学 中井昭夫先生-

健康な10ヶ月、1才半、3才の76名、大人24名で、絵本を見せるだけのグループと読み聞かせを行ったグループに分けた。絵本を見る視線の先を正確に感知する赤外線センサーを用い、文字部分への注視時間を検討。見せるだけよりも読み聞かせた乳幼児のほうが文字への注視が多く、特に3才児では 有意に文字に注目していた。大人では差が無かった。

2.絵本の読み聞かせのときの前頭葉活動~徳島大学 森健治 先生~

健康な男児 6 例、9 才~14 才で、絵本の読み聞かせと、子どもが自分で音読を行った場合の脳血流を調べた。(近赤外線スペクトロスコピーを 使用)自分で音読すると左右の言語中枢の中の運動野が活動し文字を読 むことが先にたっている。読み聞かせでは、左右の前頭前野広範にわたり脳血流が低下していた。とくに前頭極に著しく、前頭前野の抑制機能の低下が、快感情や陶酔感などの感情を作り出していると考えた。これが母子愛着形成や共同注視の獲得促進につながっていると考える。
さあ。テレビやゲームを消して、絵本の読み聞かせをしましょう!


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