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2011年5月号 災害時の子どものメンタルへルス
災害時の子どものメンタルへルス
「東日本大震災に被災された方々の 心身や日常生活の一日も早い復興をお祈り申し上げます。」
災害時のこどものメンタルヘルスは、東北関東だけの話ではありませんでした。
直接被害の無かった当地域でもお子さんが影響を受けています。
変化の内容
- 感情が不安定になった。(急に泣き出す、突然怒り出す)
- 安全確認をする。(地震はこないか、大丈夫かなどと、繰り返し大人に尋ねる)
- 親に甘える、触りたがる。
- 親とむやみに話したがる。
- 夜泣き、指しゃぶり、チックなど。
子どもの心理的特徴
子どもは自分自身で自分を守れないという弱さを持っています。
身を守るために、大人の話や雰囲気、テレビの情報に敏感になる場合があります。
- 子どもの心には、映像記憶が強く残ります。
- 50 キロ、100 キロという距離を習うのは小学校中学年で、習っても感覚として理解するにはさらに時間を要します。
- 大人のような客観的視点を取れません。
対応
- テレビや写真などの映像を見せるのを控える。
- 一日も早くいつもの生活に戻す。生活リズムを整える。
大人が付き添うなどして、安心して眠れるようにする。
食事中に子どもの話をよく聞く。
理解できる場合には、「家族それぞれが、明 日どう行動するのか話し合って決める」ことで、明日への不安を減らす。
「状況によっては計画が変わる」ことも伝えておく。 - 大人はこどもとの関わりを増やす。
(あそぶ、お風呂に入る、買い物に行く、 掃除する、歌をうたう、踊る) - 守るばかりでなく、役割を与える。(手伝い、係り、仕事を与える)
- 希望が持てるような会話と情報の提供(一生懸命頑張っている人の姿を伝える)
(発達教育 2011.5. 湯汲英史)
災害ばかりでなく、家族のなかの争いごとを目の前でみせることによる PTSD(心的外傷症候群)もあります。心豊かな人格を形成するために、大人は気をつけたいものです。