ぞうさんニュース

COPDって何?

慢性閉そく性肺疾患のことで、多くはタバコを長く吸い続けると40才台になってから気管支の慢性炎症から肺の組織が壊れ、肺気腫を起こし呼吸困難をきたす疾患です。一度肺組織が壊れると治らないと言われています。近年死亡者数が増加しています。早期発見・早期治療が基本です。禁煙・薬物療法・呼吸リハビリテーション・呼吸器感染の予防等です。
ところで小児科領域とは何か関係があるのでしょうか?三重大学呼吸器内科小林哲教授のお話からの抜粋です。
*妊娠中のお母さんのたばこ(受動喫煙も含む)が原因で、赤ちゃんの気管支の成育に影響が出て生まれながらに気管支の弱い子になる。在胎28週を越えると胎内でなくても呼吸は可能になるが、気管支形成は17週までに基礎は完成する。子供自身がタバコを吸っていなくてもCOPDになる率は高くなる。
*それ以外にも、乳幼児期から気管支喘息が重度であったり、長期にわたって発作コントロールが不良であったりするとCOPDになる可能性が高い。タバコを吸っていないCOPDの方は喘息発作による気道の破壊病変からの進展が主である。
*「タバコは20才から」にも理由がある?!14才より若い年齢でタバコを吸い始めた人は30才台ですでにCOPDになる率が高く、15~20才での喫煙開始でも多い傾向が続く。20才を越えてから吸い始めた人のCOPD発症率はその後の年令に左右されない、というデータを示されました。だから吸っていいという話ではありませんが、若年喫煙(受動喫煙も)は子どものころから人生の可能性を狭くしているようなものですね。
 メタボのDOHaD(同一家族にメタボが多く発症する)と言う概念に近いものがあります。健康と病気の発生起源説と言われて、胎児期から生後早期といった発達初期の環境が、成人後の健康状態や特定の病気へのかかりやすさに強く影響するという概念です。
 我が子の可能性を信じ、それをつぶさないように子育てをしたいものです。

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