ぞうさんニュース

2020年11月号 睡眠と記憶 夢の記憶と現実の記憶

睡眠と記憶 夢の記憶と現実の記憶

最近、人が見ている夢を人工知能を使って見えるようにしようという研究があるそうです。
ちょっと怖い気がしますよね。潜在意識下の記憶や感情を自分が知らない間に暴かれてしまうかもしれない!
睡眠の研究、記憶の研究は進んできています。
一日の出来事(感情も含め)などは出来事記憶(エピソード記憶)として、睡眠中にも定着されていくようです。
覚醒時は繰り返し想起することで記憶として定着していくことは前回でお話ししました。

睡眠の構造は、うとうとから軽眠期(30分間前後)に入り、次に深睡眠 (60分前後)、レム睡眠(15~20 分前後)というサイクルを一晩に何度か 繰り返しています。

 疲れた脳をしっかりと休めるために深睡眠期があります。
でもその時に脳の奥の下垂体からは成長ホルモンや抗利尿ホルモンが分泌されています。
前者は子供では身長を伸ばす、大人ではお肌の疲労回復を促し、後者では眠ったら尿量を減らしおねしょをしないようにする働きをしています。松果体からはメラトニンという熟眠をもたらすホルモンが分泌されます。
大脳皮質が休んでいるときにも、働いている脳の部位があるわけです。
 軽眠期とレム睡眠期に夢を見ているといわれています。
レム睡眠では、記憶の貯蔵庫である海馬と視覚領域である後頭葉だけが働いていて、夢を見ては出来事を再任して、もう一度海馬へしまっているともいわれています。
 軽眠期にも夢を見ていることが分かってきています。
でも夢に出てくる出来事記憶は、順番や内容に理屈の通らないものを見ますよね。
特に感情・情動も絡んでとんでもない夢を見た覚えがあります。
恐ろしい出来事を経験した後繰り返しその恐怖体験を夢で見てしまい、汗をかきながら目覚めてドキドキすることがあります。

覚醒時の記憶は意図的に想起を繰り返すことで定着するわけですか ら、理路整然と記憶することができます。
恐怖体験の記憶を薄めるには、 夢で再現して目覚めた後、「ああ、これは夢だった。夢の中だけの事。現 実今は安心だ!」と繰り返し自分に言い聞かせることです。
ただし、戦火の中の恐怖、家庭での虐待のようになかなか逃げられずに 続く恐怖体験では、この方法は向きません。
現実に確実に安全が保障さ れたうえでの方法でしょう。


休日当番

11 月1日(日) 22日(日) 9時~17時 TEL必要

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