その他
2018年7月号 今年の日本小児保健学会の報告
今年の日本小児保健学会の報告
「映像メディア・スマホ依存は赤ちゃんの時から~現状とその対策」
という シンポジウムの中で、「スマホ時代の子供たちの眼科的問題」という話がありました。それを紹介します。
最近の高校生への調査で、スマホ使用平均時間は1日 200 分を越えるとのこと。
テレビゲーム時代の眼科受診例は、疲れ目や肩こりが主訴で、単なる 「調節緊張」がほとんどすべてであり、調節麻痺剤を使用して比較的容易に 改善、眼鏡の補正もそれほど困難な例はなかった。
スマホはモニター画面よりも眼球に近いためブルーライト の影響を受けやすい、夜間の SNS 利用時間が増え、さらに ブルーライトを浴びることで睡眠障害も増加している。
スマホの小さな画面 を見続ける人を正面から観察すると、かなりの人が左右どちらかにずらして みていることに気付いた。
そこで両眼視機能としての立体視、抑制、左右瞳 孔の反応の違い、眼位を調べた。
予想通りおぞましい結果があった。
調査し た高校生の約 70%で何らかの両眼異常を疑わせた。
瞳孔反応も調節反応も左 右不均等の反応を示し、左右脳が不均等に機能し、最近話題の「スマホ老眼」 では説明できず、「スマホ脳」という言葉が適切では?と思われるほどである。
通常の診療では見逃されて改善不能になってしまうこともあり、複雑な症状 から眼科の病気と思わずに脳外科や精神科を受診している例もある。
スマホの長時間使用は、発達期の小児期から使用した場合、両眼視の発達 への障害となり、中高生でも両眼視の機能低下を引き起すことが危惧され、 何らかの規制や対策を要する。
これもWHOのいう gaming disorder に含まれるのでしょう。
☆お知らせ
夏休みを利用して、日本脳炎2期、DT(破傷風ジフテリア)など予防 接種を受けましょう。
予防接種時間 : 月・水・金 午後1時30分~2時30分 (受付窓口、TEL等で予約して下さい)