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2014年5月号 第117回日本小児科学会報告
第 117 回日本小児科学会 報告
~シンポジウム 小児内分泌疾患と環境因子より~
日光暴露とくる病
(東京大学大学院小児科学講座 北中幸子准教授)
ビタミン D は骨の発育、カルシウム代謝に重要な役割を果たしている。
従って乳児期、幼児期早期、思春期に必要不可欠である。
「くる病」は、ビタミン D が極端に不足することで血液中のカルシウム濃度が下がり、骨の変形や成長障害などを引き起こす。
歩き始める 1 才以降、足に負担がかかって O 脚になりやすい。
栄養不足の時代が過ぎ去り減少していた「くる病」が、2000 年代に入ってから増加し始めている。
乳幼児のビタミン D 不足の3大要因は「母乳栄養の推進」「日光浴不足」「偏った食事」にある。
母乳では赤ちゃんに大切な免疫物質が含まれるなどの利点が多いものの、ビタミン D の含有量が人工乳に比べて極めて少ない。
またビタミン D は紫外線によって皮膚で作られるが、皮膚がんやしみ・しわ予防の観点から紫外線対策が普及したことも影響している。
食物アレルギーでビタミン D を多く含む卵や魚などを取るのを制限している場合もあり、こうした要因が重なると発症しやすい。
予防策としては、特に母乳で育てている子には、日焼けしない程度に日光浴させる、離乳食で魚を取らせるなどを上げている。
震災後、放射線の懸念からさらに日光暴露が減少する傾向があり、一層の注意が必要。
幸い当地域では日光不足の母乳栄養児は見られませんが、食物(卵)アレルギーのある赤ちゃんがステロイド塗り薬を使用して紫外線を極端に避けるケースがあり、注意をすべきでしょう。
また母乳栄養児の離乳開始の遅れや内容、量不足などは当地域でも増えてきています。
何かにつけ、「ほどほどにする」ことが良いのでしょうね。
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