ぞうさんニュース

2010年6月号 2010日本小児科学会神経学会報告

眠りの科学 ~大切な子供の睡眠~

(久留米大学 内村直尚氏の話より)

今やわが国では、「24 時間社会」といわれ、大人から子供まで人々の生活は夜型化し、就寝時刻が遅くなり、それに伴い睡眠時間も短縮している。
日本の子供の睡眠時間は、世界でも特に短い。夜10時以降に就寝する3歳児は、1980年代には20%であったものが、2000年には約50%に増加。夜10時以降まで起きている夜型化幼児と、それ以前に眠る幼児の比較では、夜型化幼児のほうが認知機能の低下、意欲に乏しい、イライ ラしているという報告がある。
また小学5年生で、8時間以上の睡眠をとっている子供の成績のほうが、5~7 時間睡眠の子供より良いことが示されている。
2005年文部科 学省の小学生体力運動能力調査においても、持久力 は睡眠時間が8時間以上の小学生のほうが、6時間未満の小学生より明らかに上回った。

睡眠中に、起きているときの行動が海馬(記憶の中枢)前頭葉(思考の中枢)で高速にリプレイされ、記憶の固定、強化が行われていることが画像で確認できるようになった。
また、哺乳類以外の魚や昆虫の睡眠モデル動物でも、睡眠はシナプスの可塑性維持(脳が柔軟に機能する) の役目を担っていることが分かってきた。

睡眠は、毎日ほぼ一定時間眠ることと、毎晩ほぼ同じ時間帯に眠ると いう概日周期体内時計に合わせることで、質の良い睡眠が生まれる。親 の生活習慣の問題のほかに、睡眠を妨げるような咳や鼻閉への対策も必要になる。


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